整骨院や鍼灸院などの施術所では、患者様のケガや不調に応じて適した制度を活用できます。
1.自賠責保険の利用
2.労災保険の利用
3.健康保険での利用
4.スポーツ振興保険の利用
5.患者の任意保険の併用利用
本記事では、それぞれの保険制度の特徴や根拠法令を踏まえ、 施術所に通う患者様・施術を行う先生方の両方に役立つ情報をまとめました。
1.自賠責保険の利用
交通事故によるケガの場合には、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)が適用されます。 施術費用は原則として保険会社から支払われ、患者様の自己負担はありません。
- 根拠:自動車損害賠償保障法 👉 自賠責保険・共済ポータルサイト|国土交通省
- 対象:交通事故による外傷
- 交通事故後の対応
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警察への連絡: 交通事故証明書のために、警察に届け出る。
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医師の診断: 整形外科を受診し、診断書を作成してもらう。
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保険会社への報告: 治療の必要性を伝え、整骨院への通院の了承を得る。
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施術開始: 保険会社の了承を得てから、整骨院での施術を始める。
2.労災保険の利用
業務中や通勤途中のケガは労災保険の対象となります。 療養費用は労災保険から支給され、患者様の負担はありません。
- 根拠:労働者災害補償保険法 👉 労災補償 |厚生労働省
- 対象:仕事中・通勤中の負傷
- 労災外傷後の対応
- 「会社での労災申請」→「整骨院での施術開始」
- 施術所対応
- 事業所より交付される「柔道整復師用様式第7号(3)」などを受け取り、施術開始→申請書作成→事業所を管轄する労働基準監督署へ提出
3.健康保険での利用
日常生活での急なケガには健康保険を利用することが可能です。
- 根拠:健康保険法、柔道整復師法👉 柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて |厚生労働省
- 対象:骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷(肉離れ)
- 注意:慢性的な症状や疲労性の痛みには原則使用できません
- 施術所の対応
- (患者)「負傷原因を正確に伝える」→「保険証を提示」→「柔道整復師の業務内での判断」→「施術開始」→「保険者へ申請」
4.スポーツ振興保険の利用
部活動や地域スポーツ中のケガにはスポーツ安全保険を利用できる場合があります。 団体加入していることで、通院費や施術費が補償される仕組みです。
- 根拠:スポーツ安全保険規約(公益財団法人スポーツ安全協会) 👉 各種規約
- 対象:クラブ活動・地域スポーツ中の負傷
- 一般的な対応
- 「学校等への申請」→「必要書類を整骨院に持参」→「整骨院での施術開始」→「施術後に必要書類を学校等に提出」
5.患者の任意保険の併用
自動車保険や傷害保険など、患者(利用者様)が加入している任意保険を併用するケースもあります。 健康保険や自賠責・労災でカバーできない自己負担分を補填できる可能性があります。
- 根拠:各保険会社の約款をご確認ください。
- 特徴:契約内容により補償範囲が異なる
- 施術所対応:患者様ご自身に契約内容の確認を依頼することが必要
- 一般的な対応
- 「保険会社への連絡・確認」→「整骨院での施術開始」→「施術後に保険会社から交付される施術証明書等に必要項目を記入し患者様に提出」→「(患者)保険会社に施術証明書等と必要書類を併せて提出」
まとめ
このように施術所では、患者様の状況に応じて 自賠責保険・労災保険・健康保険・スポーツ振興保険・任意保険 を適切に区別して活用することが大切です。
株式会社ワールドでは、施術所の先生方が安心して業務を行えるよう、 保険制度に関する情報提供やレセコン連携のサポートを行っています。