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【療養費の基礎知識】訪問施術と往療施術の違いとは?

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2025.12.23

【療養費制度整理】訪問施術・往療施術の違いと医師同意の考え方 ― 柔道整復師・はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師 ―

訪問施術・往療施術については、
「医師の同意が必要かどうか」を含め、 職種ごとに制度設計が異なっており、誤解が生じやすい分野です。

特に、同意書様式に記載欄があるかどうかが、 そのまま制度要件と誤認されるケースも少なくありません。

訪問施術・往療施術の基本的な考え方

  • 訪問施術:計画的・定期的に患家へ赴いて行う施術
  • 往療施術:突発的な理由により緊急的に赴いて行う施術

いずれも共通して、 「歩行困難等により通所が困難であること」が前提となります。

同意書様式に見る職種ごとの制度差

区分 あん摩マッサージ指圧師 はり師・きゅう師 柔道整復師
訪問施術 医師の同意が必要
(同意書に訪問/往療の要否記載あり)
医師同意の規定なし
(施術者責任で判断)
制度上、訪問施術の区分なし
往療施術 医師の同意が必要
(同意書で必要性を確認)
突発的理由に限り算定可
(実施後、同意医師への報告が必要)
突発的事由に限り算定可
(治療上真に必要な場合のみ)
判断主体 医師 施術者 施術者
(治療上の必要性)
注意点 同意書様式に基づき
医師判断が明確
同意不要ではなく、
判断項目がない構造
通所困難=往療可
ではない
点に注意

はり・きゅう療養費における判断主体

はり師・きゅう師の療養費では、 訪問施術の要否について、同意書段階での医師判断は求められていません。

その代わり、療養費支給申請書(レセプト)において、 施術者が以下の区分から該当する理由を示す取扱いとなっています。

  • ① 独歩による公共交通機関を使っての外出困難
  • ② 認知症や視覚・内部・精神障害などにより独歩による外出困難
  • ③ その他(具体的理由を記載)

つまり、はり・きゅう療養費における訪問の判断は、施術者責任で行い、 レセプト記載によって説明責任を果たす構造となっています。

一方、はり及びきゅう施術での往療料算定について

はり師・きゅう師の往療料は、歩行困難等のやむを得ない理由が突発的に発生し、通所が困難となった場合に、患家の求めに応じて赴き施術を行ったときに算定できます。

なお、同意書には往療に関する記載欄はありませんが、往療を行った場合には、同意医師へ報告するなどの連携が求められており、その旨を施術録に記載する必要があります。又、往療を行った翌日から14日間は、患家の求めに応じ、再度往療を行った場合でも往療料は支給されません。

 

重要なポイント:
はり・きゅう療養費においては、
「訪問・往療について医師の同意が不要」と整理されるのではなく、 「同意書様式上、判断項目が設けられていない」という制度設計上の違いです。

柔道整復師との違いにも注意

柔道整復師の場合は、制度上「訪問施術」という区分はなく、 突発的事由による往療のみが算定対象となります。

慢性的な通所困難を理由とした定期的訪問は認められておらず、 他職種との制度差を正確に理解する必要があります。

重要なポイント:
柔道整復療養費においては、
「通えないから=往療算定できる」と整理されるのではなく、 「治療上真に必要であるか」が共通として問われます。

まとめ|制度理解が返戻防止につながる

訪問施術・往療施術は、 「誰が・どの書類で・どの段階で判断するのか」が 職種ごとに異なります。

レセコン入力や請求処理の前提として、 制度構造そのものを理解することが、 返戻・不支給リスクを下げる最も確実な方法です。

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