お知らせ

News & Topics

療養費支給対象の厳格化における三師の職能と責務

  • お知らせ
2026.03.09

【特別寄稿】受領委任制度の適正運用と臨床の境界線

療養費支給対象の厳格化における三師の職能と責務
― 慢性病と外傷性負傷の峻別による健全な経営体制の構築 ―

現代社会において「健康不調サイクル」に陥る患者は増加の一途を辿っているが、我々施術者が提供する医療類似行為が「療養費」の支給対象となるか否かは、厳格な法的定義に基づかなければならない。柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の各々が、自身の職能における支給要件を再確認することは、患者の信頼を守り、受領委任制度を堅持するための急務である。

一、柔道整復術:外傷性の原則と非対象疾患の定義

柔道整復師による療養費支給は、**「外傷性が明らかな骨折、脱臼、打撲及び捻挫」**に限定される。ここで定義される外傷性とは、関節等の可動域を超えた捻れや外力によって身体組織が損傷を受けた状態を指し、その状態が慢性に至っていないことが絶対条件である。

【支給対象外となる留意点】

単なる肩こりや筋肉疲労に対する施術、あるいは内科的原因による疾患は支給対象外である。また、後療法完了後に「あん摩(指圧・マッサージ)」のみを必要とする状態への移行も対象とはならない。施術録には必ず「いつ、どこで、どうして」負傷したかの詳細な記載が義務付けられている。

二、鍼灸・マッサージ:慢性疼痛と医科との連携

はり師、きゅう師の施術においては、柔道整復とは対照的に「慢性的な疼痛を主訴とする疾病」が対象となる。ただし、これには「保険医による適当な治療手段がない」という前提が必要である。

■ はり・きゅうの対象六疾患

神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症、頸椎捻挫後遺症。これらについては保険医の同意書をもって支給対象とされるが、それ以外の疾病については保険者による個別判断に委ねられる。

あん摩マッサージ指圧師の場合、診断名に捉われず「筋麻痺・関節拘縮」等の症状に対し、医療上マッサージを必要とする症例が支給対象となる。

三、適正な健康不調サイクルへの介入

ふくらはぎの筋痛や眩暈、腹痛といった不定愁訴を伴う「健康不調サイクル」へのアプローチにおいて、我々は制度の枠組みを正しく運用しなければならない。外傷起因であれば柔道整復として、慢性的な機能不全であれば鍼灸・マッサージとして、それぞれのライセンスが持つ定義を遵守することこそが、業界全体の信頼向上に直結する。

受領委任取扱制度の適正運用は、技術研鑽と並ぶ施術者の責務である。

株式会社ワールド 運営事務局

厚生労働省 通知に基づいた療養費取扱いガイドライン 参照

お気軽にお問い合わせください

ご相談・お問い合わせ・お見積のご依頼等ありましたらお問い合わせください。お電話は10:00-17:00